平成28年度宅建試験直前出題予想⑤(法律改正編)

第5回目は法律改正編になります。
宅建士試験は、毎年4月1日現在で施行されている法令に基づいて行われることになっています。

今年も「宅建業法」「法令上の制限」「その他の分野(税金)」において改正点があります。
変更点というのは何かと狙われやすいものなので、余力があれば多くおさえておきたいところです。
*今回記事にしているもの以外にも改正点はあります。比較的重要度が高いと思われるものをピックアップしています。

宅建業法の改正点

① 雨水貯留施設の管理協定に係る承継効に関する規定
≪出題ポイント≫
この管理協定は、協定締結の公告後に、当該管理協定の対象である雨水貯留施設の所有者等となった者にも効力が及ぶ(承継効)ので、管理協定の効力を知らなかった場合は不測の損害を被る可能性があるため、宅地又は建物の貸借を除く重要事項の説明対象にこの規定が追加された。

② 地域再生土地利用基本計画に記載された集落生活圏の区域内における建築等の届出等
≪出題ポイント≫
この区域内では一定の開発行為が届出の対象とされており、設計の変更等の勧告(地域再生法17条の8第1項、第3項、第4項)を受けたり、届出をしないこと等により罰則をうける等の不測の損害を被るおそれがあるため、宅地又は建物の貸借を除く重要事項の説明対象に地域再生法17条の8第1項及び第3項が追加された。

法令上の制限の改正点

【建築基準法】
① 構造計算適合性判定
≪出題ポイント≫
構造計算適合性判定についての規定が追加。建築主が構造計算適合性判定を直接申請できるようになった。

② 建築確認
≪出題ポイント≫
構造計算適合性判定を要するものであるときは、建築主から適合判定通知書又はその写しの提出を受けた場合に限り、建築確認をすることができる、と手順が一部変更された。

③ 大規模建築物の主要構造部等
≪出題ポイント≫
延べ面積が3,000㎡を超える一定の建築物について、一定の耐火構造等で、有効に区画し、かつ、各区画の床面積の合計をそれぞれ3,000㎡以内としたものであれば、耐火構造等にすべきとする「2条9号の2イ基準」に適合しなくてもよい

④ 用途制限
≪出題ポイント≫
「身体障害者福祉ホーム」を「福祉ホーム」と字句修正した。また、「ダンスホール」の取扱いが変更となり、第2種住居地域・準住居地域・近隣商業地域・工業地域・工業専用地域でも建築できるようになった。

⑤ 容積率
≪出題ポイント≫
高齢者等の人口増加に伴い、建築物の地階で老人ホーム等の用途に供する部分の床面積について、全体の3分の1を限度として、不算入とすることになった。

【農地法】
① 4条の許可権者
≪出題ポイント≫
従来は、知事か農林水産大臣だったが、改正により、知事か、農地又は採草放牧地の農業の効率的かつ総合的な利用の確保に関する施策の実施状況を考慮して農林水産大臣が指定する「指定市町村」の長となった。

② 5条の許可権者
≪出題のポイント≫
4条の許可権者の改正に伴い、5条の許可権者も知事か「指定市町村」の長となった。

その他の関連知識の改正点

今年度の試験に向けては、①特例については適用期間を延長、②空き家対策の規定が新設された、③三世代同居を促進するための措置が講じられたことを覚えておきたい。
≪贈与税の出題ポイント≫
直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の贈与税の非課税措置では、良質な住宅用家屋で1,200万、それ以外の家屋で700万と昨年より非課税限度額は減った。

≪所得税の出題ポイント≫
住宅ローン控除について、平成28年4月1日以降居住の場合、①年末残高限度額4,000万、②控除率1%、③最大控除額400万となった。
認定住宅(認定長期優良住宅、認定低炭素住宅)では、①年末残高限度額5,000万、②控除率1%、③最大控除額500万というのも余力があれば覚えておきたい。

終わりに

法律は毎年見直され、税法では特例が延長されたり、控除金額が上下したりといろいろありますが、これが独学者にとっては結構な負担や不安になると思います。

今回の内容が少しでも学習の手助けになれば幸いです。

次回は 統計についてです。
本試験直前にさくっと読めるように仕上げるので、乞うご期待!

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