宅建士には登録講習と登録実務講習という紛らわしい2つの言葉があります。ネット上でも、勘違いした回答が多いので、気をつけてください。
- 「登録講習」=「宅建士試験前に受けると5問免除される講習」
- 「登録実務講習」=「宅建合格後に登録するとき、実務経験の代わりに受ける講習」
登録講習の受講資格を持った人はそれほど多くはないかもしれませんが、以下は登録講習について記載します。
登録講習の受講資格
登録講習の受講資格がある方は、不動産業界などでにお勤めで、次の①と②の両方を満たす方となっています。
- ①勤務先の会社が宅地建物取引業者として登録
- ②勤務先で従業者証明書を発行されている
ただし、入社間もない場合は、②の従業者証明書の発行が間に合わない時もありますが、未発行でも受講できる場合もあります。また、建築業界でも①にあてはまればいいですし、事務員さんでも②があれば大丈夫なようです。
受講資格の有無についてよくわからない方は、登録講習機関に問い合わせた方が良いでしょう。
登録講習の手順
国土交通大臣の登録を受けた登録講習機関(TACなど)が現在22機関あります。(H30.5.8付・国土交通省のホームページより)登録講習は、それらの機関に直接申し込みます。
機関によって多少違いますが、概要はおよそ以下のとおりです。
登録講習の概要 | |
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実施期間 | 4月から7月(例年、宅建試験の申し込みが7月までなので、7月は更に混雑します。5月に満室で申し込み終了する機関もあるので、手続きは早めにしましょう) |
料金 | およそ13,000~17,000円。割引制度などもあるので、比較して決めましょう。 |
講座内容 | 5問免除部分の内容だけでなく、宅建試験に出題されるその他の内容も含まれているため、試験対策にも効果的です。 |
登録講習を受けて登録講習修了者となる流れとしては概ね以下のようになります。
※4択20問7割以上で合格
登録講習修了者のメリット
修了者証明書が交付され、3年以内の宅建試験について、5問免除されます。ただし、試験時間については、10分短縮されるようです。
免除される科目(46問~50問)
- 宅地及び建物の需給に関する法令並びに実務に関する科目
- 土地の形質、地積、地目及び種別並びに建物の形質、構造及び種別に関する科目
これらは宅建試験では、いわゆるマイナー科目です。細かい知識が問われるので、免除されるととても有利といえます。その分主要科目の勉強に時間が費やせます。
近年の合格者のデータをみると、登録講習修了者の合格率は約19~22%、一般受験者の合格率は約15~16%ですから、データからも、有利なことが伺えます。 また、合格ボーダーラインに人数が集中しやすいので、5問免除されれば、そこから抜け出しやすくなるでしょう。
逆に登録講習の受講資格が無い人はあまり悲観的になることはありませんよ。上記の通り、登録講習を修了するために結構な時間とお金を費やしているわけですから、受講資格が無い人はその分、宅建士本試験の直接的な学習に力を入れられるし、安上がりです。