平成28年度宅建試験直前出題予想③(法令上の制限)

前回に引き続き、平成28年度(2016年度)宅建試験直前出題予想の第3回目です。今回は、「法令上の制限」から優先的に学習すべきポイントを指摘しつつ、本試験の出題予想をしていきたいと思います。
法令上の制限は、平成28年度改正の農地法と建築基準法が含まれているので特に注意すべき科目です。改正点を確実におさえつつも、細かい知識に執着せず、基本的な論点をおさえてください。特に直前期はそれを徹底するようにしましょう。

法令上の制限の出題内訳と出題傾向

ここ数年、法令上の制限は、『都市計画法』から2問、『建築基準法』から2問、『宅地造成等規制法』、『土地区画整理法』、『国土利用計画法』、『農地法』、からそれぞれ1問という内訳で、合計8問出題されています。宅建士に名称変更してはじめての試験(平成27年度)もこの内訳でした。目標としては、8問中6問の正答を目指しましょう

都市計画法

都市計画法は、毎年2問出題されており、ここで出題される論点は2つしかありません。ひとつめは開発許可の要否、ふたつめは開発許可の申請の流れです(開発許可の要否が2問出る年もあります。)。今年も許可の要否と申請の流れが1問づつ出題されると予想しています。

建築基準法

建築基準法は、いくつか法改正があったのですが、重要改正点として容積率の改正があります。

建築物の地階でその天井が地盤面からの高さ1m以下にあるものの住宅または老人ホーム・福祉ホーム等の用途に供する部分の床面積は、当該建築物の老人ホームの用途に供する部分の床面積の合計の3分の1を限度として、延べ面積に算入されません。

この改正で老人ホーム等についても、地下室の容積率の特例が適用されることになりました。また、改正点ではありませんが「3分の1」という数字もおさえておきましょう。

建築基準法では、単体規定も出題されますが細かいものが多く、直前期に単体規定を覚えようとするのは学習効率が悪いのでお勧めしません。時間のない直前期は集団規定を勉強するのがよいでしょう。建築基準法では、やはり前記した地下室の容積率の特例が出題されると予想しています。

国土利用計画法

国土利用計画法は、まるまる1問出題されていましたが、近年、出題されない年も出てきました。昨年(宅建士一年目)は、まるまる一問出題されました。国土利用計画法の問題は、届出の要否を問う問題が多く出題されています。届出対象の土地の取引面積は数字を確認しておいてください。国土利用計画法からは事後届出制が出題されると予想しています

農地法

農地法のポイントとして4条、5条の許可権者の改正が挙げられます。農地の所有者が農地を転用する場合には、農地法4条の許可を受けなければなりません。この場合の原則的な許可権者は都道府県知事で変わっていませんが、農林水産大臣が指定する市町村(指定市町村という。)の区域内にあっては指定市町村長が許可権者に変わりました。農地法5条の許可権者も同様です。今年、試験に出る確率は非常に高いと予想していますので注意してください。

なお、4ha(ヘクタール)超の農地・採草放牧地を転用等の農林水産大臣の許可制度は廃止されました。

宅地造成等規正法

宅地造成等規制法は毎年1問出題され、出題のポイントもほぼ決まっていますので、確実に1点得点しておきたいところです。規制区域での「宅地造成工事の許可制」、「規制区域内での届出制」を中心に過去問を解いておきましょう。

土地区画整理法

土地区画整理法は、使われる用語が難しいので、まずはそれを丁寧に理解することが不可欠です。難解な問題が出ることもあるので得点しにくいテーマといえます。ただ、過去問をベースにした出題も多いので、最低限、過去問で問われた知識はおさえておきましょう。

終わりに

「法令上の制限」は、土地区画整理法のように用語を覚えなければ問題の意味がわからないようなものもありますが、細かい数字を覚えることの方が多いです。問題の理解は大切ですが、ほとんどは暗記にかかっているといえるでしょう。

試験の日に実力をピークに持って行くために、試験日から逆算して学習計画を立てておきましょう。1日単位でノルマと勉強時間を決め、あとは決めたノルマをこなしていくだけです。合格ラインを超えるために、自分が何点とるための勉強をするか綿密に計画を立てて実践してください。本試験まであと少しです。合格を目指してがんばりましょう。

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