宅建業法 - 報酬額の制限(1)【5分で1点UP】

報酬とは、宅建業者が代理や媒介などの他人間を取り持つ形で契約を成立させた場合にお客さんから受け取る仲介手数料のことです。

この報酬についてなんの制限がなければ、あまりにも高額な報酬を消費者から受領しようとする業者が出てくるおそれがあるため、報酬の限度額と受領方法についての制限が宅建業法で設けられています。

宅建試験では、報酬額を具体的に計算をさせ、業者が受領できるのかを問う計算問題が毎年出題されています。

売買契約を媒介した場合の報酬額の計算 - 速算法 -

過去問(H18-43イ改)

宅地建物取引業者A(消費税課税事業者)は、BからB所有の宅地の売却について媒介の依頼を受け、Cを買主として代金1,000万円で売買契約を成立させた。その際、Bから報酬30万円のほかに、Bの特別の依頼による広告に要した実費10万円を受領した。宅地建物取引業法の規定に違反する。なお、この場合の取引の関係者は、A、B及びCのみとする。

売買・交換の場合の報酬限度額は、速算法と呼ばれる報酬計算を簡略化した計算方法を使って計算します。これは、報酬計算の最も基本になる計算式なので、しっかり覚えておきましょう。

《速算法》
宅地・建物の代金計算式
200万円以下の場合代金×5%
200万円超~400万円以下の場合代金×4%+2万円
400万円超の場合代金×3%+6万円

この速算法を使って出した金額が、業者が当事者の一方から受領することができる報酬の限度額です。

例えば、1000万円の物件の売買の媒介を当事者の一方(売主)から依頼された場合、次のように計算します。

1,000万円×3%+6万円=36万円

宅建業者が課税事業者の場合、計算によって求めた額に消費税分8%を乗じた金額を上限として受領することができます。また、依頼者の申し出で依頼された特別の広告料金は、報酬とは別途受領することができます。

なお、この報酬額は、国土交通大臣が定めた上限額であるので、当事者の合意により、これより低い額を受領してもかまいません。