第16回 その他の分野(4)~統計・土地・建物~

いよいよ最終回です。
前回の住宅金融支援機構・景品表示法とあわせて、毎年出てくるところなので気合を入れて取り組みたいところですが、実は必死になるほどではなかったりします。
当然、統計は国土交通省のHPから拾っていくのが確実です。
もちろん予備校の公開模試等で最新情報が入手できるならそれで十分なのですが。
前置きはこのあたりにして、では早速。

「統計の攻略」

統計は最新データを入手するしかないため、どこに載っているかだけの説明で。
過去問を眺めればわかりますが、細かい数字を全部覚えるというより、前年より増えたか減ったかという出題が多いので、大体こんなものか程度に見ておきましょう。
①土地取引の動向・・・・・・国土交通省
②地価公示・・・・・・・・・国土交通省
③住宅着工統計・・・・・・・国土交通省
④不動産価格指数・・・・・・国土交通省
⑤宅地建物取引業者等・・・・国土交通省
⑥法人企業統計・・・・・・・  財務省

「土地の攻略」

○○ってどんな土地のことですか、建物建てるのに適していますかっていう話です。
実は結構、中学校の地理みたいなことも出題されたりもします。
過去問ベースの知識と参考書と常識と直感で勝負です!
過去問を挙げてみていきましょう。

平成16年 問50 肢4
台地は、一般に水はけがよく地盤が安定しているので宅地に適する。

これは○です。
いかにも中学校の地理って感じですよね。
次もいかにもという感じの問題を。

平成19年 問49 肢3
三角州は、河川の河口付近に見られる軟弱な地盤であり、地震時の液状化現象の発生に注意が必要である。

これも○です。
ちょっと宅建士っぽくなりましたが、まだまだ地理って感じですね。

平成24年 問49 肢3
丘陵地帯で地下水位が深く、砂質土で形成された地盤では、地震の際に液状化する可能性が高い。

これは×ですね。
液状化ってどんな場所で起こりやすいかを理解していれば解ける問題です。
ここまでくるとかなり宅建士っぽいですね(義務教育レベルには変わりありませんが・・・)。

次は常識的に考えるシリーズを見てみましょう。

平成26年 問49 肢3
沿岸地域は、津波や高潮などの被害を受けやすく、宅地の標高や避難経路を把握しておくことが必要である。

平成23年 問49 肢1
住宅地としての立地条件として最も基礎的な条件は、地形、地盤に関することである。

平成21年 問49 肢1
山地の地形は、かなり急峻で大部分が森林となっている。

全部○です。
試験を受けようと思っている人が間違えるような問題ではないですね。

ただこんなしょうもない問題も出題されたことがあります。

平成25年 問49 日本の土地に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1 国土を山地と平地に大別すると、山地の占める比率は、国土面積の約75%である。
2 火山地は、国土面積の約7%を占め、山林や原野のままの所も多く、水利に乏しい。
3 台地・段丘は、国土面積の約12%で、地盤も安定し、土地利用に適した土地である。
4 低地は、国土面積の約25%であり、洪水や地震による液状化などの災害危険度は低い。

正解は4です。これもまた、液状化について知っていれば解けます。
一般知識として日本はこういう地形の構成なんだなってことは知っておくべきだとは思うのですが、いきなり出されると面食らいますね。

近年は、地震による液状化やゲリラ豪雨による土砂災害、台風による堤防の決壊等自然災害が頻発しているので、ニュースを見て気になったらどういう地域が被害にあったのか調べることをお勧めします。

「建物の攻略」

建物の構造とか各材質の特徴とかが問われます。
項目だけで考えるなら宅建士っぽい出題範囲ですが、過去問を眺めると「これは大工になるための試験なのか」って思うくらいの用語が並んでいます。
CFTとか、ラーメン構造とか、トラス式構造とか、ピロティ形式って言われてぱっと説明できるなら勉強する必要はないです。
ここは過去問を解けるだけ解いて、一問一答形式で知識として吸収する作業に徹してください。

終わりに

前回の住宅金融支援機構・景品表示法と今回の3論点は比較的簡単な部類になります。
宅建士に受かるためには満点はいらないのです。36点取れればまず間違いなく合格します。
36点を取るために自分の得意分野から攻めるもよし、マークミスをしないために頭から埋めていくのもよしですが、当日までに確立させておきましょう。

参考書や問題集の周回に入ると、点数の伸び悩みに陥ることがあると思います。
これは一回かかると本番が終わるまで治らないタチの悪い病気なので、「病気になっても今日まで毎日やってこれた、自分が受からないなら皆も受からない」くらいの気持ちで挑みましょう。

これを読んでくれた方の歓喜の声を心からお待ちしております!